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−国際養子縁組−



1.国際養子縁組


まず、養子縁組と在留資格の関係から説明します。
・外国人配偶者の未成年で未婚の実子で、親の扶養が必要な子供(いわゆる連れ子)は、
 養子縁組をしなくても、在留資格を得ることや、日本に滞在できる可能性があります。
 したがって、養子縁組は条件ではありません。
 (尚、外国人配偶者の成年の実子は、養子縁組をしただけでは、日本に滞在できません)
・外国人配偶者の甥、姪、いとこ、あるいは、ご夫婦と血縁関係のない子供と養子縁組をした場合ですが、
 基本的に、特別養子縁組では子供が15歳未満、普通養子縁組では子供が6歳未満ではないと、在留資格は得られず、
 結果として、日本に滞在できません(前述の年齢以上の場合は、在留資格「留学」などを検討することになります)。
・尚、養子が未成年の場合、多くの国では、養子縁組手続きは裁判所に申し立てします。
・また、養子縁組をした後、就学前児童であれば、日本国籍を取ることも視野に入れたほうが良いです。
 成年になるにつれて、「自分は日本人」との感覚を持つようですし、母語を読んだり、話したりができなくなるようです。
 結婚するときに、自分で出生証明書や独身証明書を取らなければなりませんが、苦労しているようです。
 このことは、外国人配偶者の連れ子を、就学前から日本に在留させた場合も同じです。
・令和元年6月7日、特別養子縁組制度の法改正がおこなわれました。
 法務省のウェブサイトからの抜粋です。
 http://www.moj.go.jp/content/001310720.pdf
 特別養子制度は、家庭に恵まれない子に温かい家庭を提供して、その健全な養育を図ることを目的として創設された、
 専ら子どもの利益を図るための制度です。
 現在、児童養護施設等には、保護者がいないことや虐待を受けていることなどが原因で、
 多数の子が入所していますが、その中には、特別養子縁組を成立させることにより、
 家庭において養育することが適切な子も少なくないと指摘されています。
 今回の改正では、特別養子制度の利用を促進するために、特別養子縁組における養子となる者の年齢の上限を
 原則6歳未満から原則15歳未満に引き上げるとともに、特別養子縁組の成立の手続を二段階に分けて
 養親となる者の負担を軽減するなどの改正をしています。
 今回の改正は、令和2年4月1日から施行されます。なお、施行の時点で、既に係属中の特別養子縁組の成立の
 審判事件については、引き続き改正前の民法及び家事事件手続法が適用されます。
以上のことを踏まえて、じっくり、お読みください。

養子縁組を予定している子どもの年齢が15歳を超えてしまうと、養子縁組しても養子の身分で在留資格を得られないことは、
理解できると思います。そうしますと、留学も視野に入れる必要があります。日本語学校への留学も検討する必要があります。
参考になる動画をテスト配信しています。
「日本語学校へ行こう!!」外国人の妻の本国に住む18-19歳以上の子どもの留学
国際結婚した外国人の妻の18-19歳以上の子どもが、本国に住んでいる場合は、日本の日本語学校へ行こう、という話です。
「日本語学校へ行こう!!」外国人の妻の本国に住む18-19歳以上の子どもの留学。
国際結婚した外国人の妻の18-19歳以上の子どもが、本国に住んでいる場合は、日本の日本語学校へ行こう、という話です。 (冒頭で画面が乱れますが、そのまま視聴してください)

本題です。

  • 外国人と結婚して、自分の子供と、外国人配偶者と養子縁組をする
  • 外国人と結婚して、外国人配偶者の子供と、自分が養子縁組をする
    場合、日本の法律で手続きを進めていいのか、どうか、迷うと思います。
    基本は、成立当時の「養親」の法律か、行為地法である「日本」の法律です。
    養親が日本人の場合や、行為地が「日本」で、養子縁組をする場合、
    日本の法律に従って手続きをするのですが、 日本の法律では、「養子の保護要件」
    があり、養子の本国法で、 養子縁組をするときは、養子が未成年のときは、
    法定代理人の同意が 必要」とか「養子が未成年のときは、裁判所の許可が必要」と
    あれば、 それに従わなければなりません。
    例えば、フィリピン人の奥さんの子ども(いわゆる連れ子)を養子縁組するときに、
    フィリピンの法律では、年齢によって、養子縁組は、裁判所の決定が必要なので、
    それが保護要件となり、そのことを満たす必要が有ります。
    フィリピン人の奥さんの幼い子どもを養子縁組するケースは、けっこう散見しますが、
    この場合、日本の家庭裁判所も管轄権があり、フィリピンの裁判所の代わりに許可を
    与えることは、肯定していますので、実務上は、日本の家庭裁判所に養子縁組の
    許可審判申し出をすることになります。
    尚、外国人妻の未成年の未婚の連れ子の在留資格ですが、養子縁組は許可要件に
    なっていません。
    詳細は、
    Q&A  Q12 フィリピン人妻の連れ子の在留資格を得たい
    又、養親が外国人の場合、その外国人の本国法に従うので、養子縁組の成立要件を調べて、
    手続きをしなければなりません。
    手続き時に、そこの国の養子縁組に関する法典や、国際私法を用意する必要があるかもしれません。
    養子縁組を進めることも可能ですが、日本のみ有効になる可能性があり、養親の国で、
    その養子縁組は反映されないこともあり得ますので、在日本の大使館に確認した方が良いです。
    更に、養子制度を認めていない国の場合は、養親としての養子縁組届けは、
    受理されない可能性もあります。
    しかし、養子制度を認めていない国の子どもについては、養子としての有効な
    養子縁組はできますが、日本においてのみ有効なので、注意が必要です。
    尚、日本政府は、ハーグ国際養子縁組条約に批准していないので、
    批准している国の子ども(孤児施設に入所しているような)との養子縁組は難しいです。
    批准している国の子供は、批准している国の大人と養子縁組をする枠組みになっているからです。
    政府機関同士のやりとりもあるようですし、政府機関が養子の審査をすることもあるようなので、
    日本人が、直接、養子となる子どもの国のあっせん機関に、「養子を紹介してください」との申し込みはできないのです。
    ただ、国によっては、夫婦のどちらかが子どもと親族関係にあるなどの要件を満たせば、
    養子縁組を可能としている国もあり、事前に調べる必要があります。
    当事務所では、養子縁組や在留資格の手続きのサポートをしています。




    下記はQ&Aです。理解を得るためには、一通り読むことを勧めます。

    ・ 日本人女性が、外国人夫と結婚した場合、日本人配偶者の子供を養子縁組するケースです。
    ・ 日本人と外国人の夫婦が、日本の子供を、特別養子として迎えたい場合です。
    ・ 日本人の夫婦が、外国人の子供を養子に迎えたい場合です。
    ・ 日本人男性が、在留資格を持つ成年のフィリピン人男性との養子縁組
    ・ 海外在住の日本人の夫婦が、日本人の子供との養子縁組
    ・ 日本人男性とベトナム人女性夫婦で、日本人男性とベトナム人女性の10歳の実子(連れ子)との養子縁組
    ・ 中国人男性と日本人人女性夫婦で、中国人男性と日本人女性の実子(連れ子)との養子縁組
    ・ 日本に住む韓国人男性と日本人女性の夫婦で、韓国人男性と日本人女性の嫡出子(連れ子)との養子縁組
    ・ 養子縁組手続きのハードルが高い、養子の身分での在留資格が得られそうもない、ケースでも養子にしたい子供を、
      小学校や中学校に留学させることはできるのか?

    ・ 国際結婚した夫婦と外国人代理母から出産した子どもでは、特別養子縁組はできるのか

    ・ 日本人女性が、外国人夫と結婚した場合、日本人配偶者の子供を養子縁組するケースです。

    Q 私は、日本人男性と離婚後、カナダ人男性と再婚し1年になります。わたしには前の主人との間に娘がいますが、 今の主人は、娘がなついてくれているので、養父になりたいと言っていますが、どのように手続きしたらいいのでしょうか?

    A 日本の家庭裁判所の許可で良いのではないか?と思います。
    国際養子縁組については、縁組当時の養親の本国法によります。養親は、カナダ人なので、カナダの法制度によります。 カナダの場合、養子縁組に関しては、州法が規定しているようなので、州法に依ります。
    ですので、カナダ人夫が、どこの州を住所地にしているかで決まる、と思います。
    ブリティッシュ・コロンビア州を、例にとりますと、養親の要件として、片方の配偶者の連れ子の場合、 成人である夫婦は、共同でいずれかの子供につき養子縁組の申請ができ、また、成人である夫婦のいずれも単独で、 いずれかの子供につき養子縁組申請することができる、とされているようです。
    養子の要件として、同意が必要なようです。
    未成年者が12歳以上のときは、その未成年者未成年者の両親か存命中の親夫婦の一方からの申請の場合は、その配偶者未成年者の親が居ないとき・・・、こちらは省略します
    縁組の方式ですが、裁判所が養子縁組を許可すると、養子縁組は確定するようです。
    養子の保護要件については、養子が日本国籍なので、日本の法律に依るところになりますが、配偶者との連れ子の場合、家庭裁判所の許可は不要です。
    ですが、カナダの場合、養子縁組については、裁判所の許可となっています。それで、裁判所ですが、カナダの裁判所なの?となると思いますが、養子が、日本に住所を有する場合は、 日本の家庭裁判所に管轄権を持つことができますが、ここでの審判の許可を、カナダサイドで認めるかどうかになります。
    過去に、養親=カナダ人、日本人夫婦 養子=日本人で、養子は日本人配偶者の子で、日本の家庭裁判所の許可で、養子縁組が成立したケースはあるようです (カナダの養子縁組は、実親と断絶するので、形式的には、日本の特別養子と同質の裁判を求めたようです)。 カナダ大使館に、「養子縁組において、日本の家庭裁判所の許可は、効力を認めるのか、どうか」の確認してください。
    私見ではありますが、まず、カナダ人夫の州法を選択し、家庭裁判所に養子縁組の審判を求めることになるのではないか(許可をもらったら、市役所戸籍課に届出)、と思います。

    又、カナダの州法で、「手続き地の法律に従う」と定められていれば、日本の法律に従うことになり、日本の民法では、連れ子の養子縁組は、家庭裁判所の許可は不要なので、そちらも確認したほうが良いでしょう。


    ・日本人と外国人の夫婦が、日本の子供を、特別養子として迎えたい場合です。

    Q デンマーク人(デンマーク国籍)の夫と結婚し、デンマークに在住している日本人女性です。夫は50歳、
    私は45歳です。なかなか子宝に恵まれない為、養子縁組を考えています。
    「日本から養子を迎えるのは可能なのだろうか」「可能な場合、特別養子縁組はできるのだろうか」
    という、疑問がありますが、どうなのでしょうか?
    日本には年に一度2−3週間ほど休暇で訪れますが、今後住む予定もありません。

    A 日本の法律では、国際養子縁組の場合、養親の本国法に依る、となっています。
    ですので、デンマークの法律に従って、進めることにもなる、と思います。
    一般に、ヨーロッパ諸国の場合、方式として、未成年養子について、
    ・裁判所、その他の公的機関の宣告による
    ・実親との親族関係が消滅する

    いわゆる、決定型・断絶型のようです。尚、「夫婦共同養子縁組」、「養子の実親の同意」
    が要る国もあるようです決定型と言うのは、当事者の合意だけでは足りずに、裁判所又は
    行政官庁等の機関による養子決定の宣告があって始めて養子縁組が成立するもの。
    断絶型と言うのは、 縁組によって養子とその実親及び実方の血族との親族関係を消滅するもの。
    で、日本の特別養子縁組に近い制度のようです。
    それで、日本での養子縁組の審判が可能なのか、ですが、 国際裁判管轄権、と言いまして、
    下記のような場合は、認められているようです。
    ①養親及び養子の双方が、住所が日本にある場合
    ②養親及び養子のいずれかの住所が日本にある場合
     例外みたいな感じですが、
    ③養親又は養子の国籍国にも国際裁判管轄権を認める 一時帰国して養子縁組の手続きを
     日本で済ませたい、といケースが考えられます。
     ただ、日本で行う場合は、管轄する家庭裁判所次第でしょう。
     
    次に、日本の民法の特別養子縁組でありますが、
     ・子供の年齢では、15歳未満(例外として、15歳以上でも可の場合もありますが、
      審判確定時の上限年齢があり18歳だと不可)
     ・家庭裁判所の審理
     ・二段階手続きの導入
      ア 実親による養育状況及び実親の同意の有無等を判断する審判
      イ 養親子のマッチングを判断する審判
     ・同意の撤回制限
     ・児童相談所長の関与
    などです。
    それで、特別養子縁組の場合、夫婦共同養子縁組になりますので、夫の国の法律では、
    どうなっているのか?です。
    夫の本国法上、特別養子に相当する完全養子縁組制度があり、その要件を満たせば、
    夫婦共同で特別養子縁組ができるようです。
    ちなみに、普通養子縁組については、
     ・養親となれる者は、20歳以上
     ・養子になる子の年齢は養親より年上、尊属ではないこと、
     ・養子本人が、
      十五歳以上の場合は、本人の承諾
      十五歳未満の場合は、法定代理人(実父母や後見人)等の承諾
      家庭裁判所の許可ーーー未成年の場合。除く 配偶者の連れ子
     ・養親又は養子に配偶者がいる場合は、その者の同意
    などです。

    国際養子縁組に関わらず、養子縁組の決定をするプロセスで、日本の家庭裁判所では、
    家庭訪問をするなどして、試験養育期間として、三ヶ月から六ヶ月ぐらい、
    としているようです。
    ですので、あなた様夫婦が、日本国内に一時的にせよ、養子となる子と一緒に
    生活しなければならないのではないか、と考えます。
    ただ、これが不可の場合、家庭裁判所でどのように進めるか、
    は当方では、わからないです。
    ですが、こういうプロセスを踏むのは、日本だけではない、と思います。
    繰り返しますと、養母と養子の国である日本の法律とその保護条件養父の本国の
    養子縁組に関する法律を満たす必要があります。
    デンマークの養子縁組は日本の特別養子縁組に近い形でしたら、
    日本での特別養子縁組の可能はあるかもしれません。
    もし、デンマークで養子縁組決定されれば、あなた様の戸籍へ養子縁組の報告的な届けすることになりますが、
    この場合、特別養子縁組として受付される余地はあるかもしれないです。
    東京法務局戸籍課へ問い合わせしたときの回答の要旨です。

    外国で、裁判所の決定型かつ実親断絶型の養子縁組をした場合で、
    特別養子縁組として、報告的な届出があったときは、
    東京法務局戸籍課は、外務省を通じて、相手国に、その国の養子縁組制度を、照会するそうです。
    それで、特別養子縁組として受理するか(日本の民法が根拠になっているので)、
    どうかの検討するそうです。
    この期間は、おおよそ2-3ヶ月だそうです。
    ちなみに、文献を読みますと
    日本人・ベトナム人夫婦が養親、ベトナム人が養子で、ベトナムで養子縁組が成立した後、
    養親養子が日本に入国し、日本で改めて、特別養子縁組の申立をして、認められたケースは
    あるようです。
    理由として、
    ・ベトナムで養子縁組をするときは、人民委員会からの許可が必要になりますが、
    その許可は断絶型の養子縁組でも包括的に許可する趣旨がある
    ・ベトナムの孤児院からの養子であり、「永遠の養子」となる旨を書かれた養子縁組証明書が、
    孤児院から発行されていたため、保護条件を充足したようです。
    又、夫がアメリカ人、妻が日本人で、ワシントン州上級裁判所で成立した養子縁組が
    {特別養子縁組制度に類似しているので、日本国内で特別養子縁組として成立した例も
    あるようです。
    尚、児童養護施設に入所している日本国籍の子どもを養子縁組するケースの場合、
    児童相談所が窓口になるようですので、そちらに相談された方が良い、と思います。
    養子縁組のハーグ条約加盟国(例えば、米国、カナダ、ドイツ、オーストラリア等々)に居住している場合ですが、
    まず、養親候補者になれるか、どうか、を関係当局やソーシャルワーカー・ケースワーカーと相談しながら、
    進めていく、と考えます。
      仕事の依頼&自己紹介へ


    日本人の夫婦が、外国人の子供を養子に迎えたい場合です。
    (養親となる夫婦の片方が外国人配偶者で、その親戚の子どもが養子候補も共通)

    Q 私たち夫婦は子宝に恵まれず、以前より養子縁組を希望しています。しかし、児童相談所からは現在これという紹介もいただけないままです。一方海外に目を転じれば家族に恵まれない子供は多く、もし可能ならば中国やフィリピンからの養子縁組ができないかと考えております。

    A 日本の場合、児童相談所等の公的な機関に相談しても、養子となる候補の人数が、養子を迎えることを希望するご夫婦の数に比べて少ないので紹介してもらえない、又は、養親になる人が40-50代だと、家庭裁判所から養子縁組の許可を得ずらい、ということは聞いています。
    そうしますと、海外の子どもを養子に迎えたい、と考えることもあろうかと思います。
    ただ、海外の子どもを養子に迎える場合、大きなハードルがある、と考えます。
    ①外国籍の場合、特別養子縁組では現存15歳未満、普通養子縁組だと原則6歳未満の養子でないと、
     日本に住むための在留資格が得られない
    ②養親が住む日本で養子縁組を行うのか、養子の住む国で養子縁組を行うのか
    ③日本で養子縁組を行う場合、養子となる子どもを、日本に招へいできるのか
      (養子の国の政府は、出国させてくれるのか)だと考えます。
    これらを解決できる絶対の方法は無い、と考えます。
    子どもについては、人身取引を、どこの国でも警戒するからです。
    多くの国では、養子縁組は、
    ・夫婦共同養子縁組
    ・実親の同意
    ・実親との関係が断絶
    ・裁判所の決定
    であり、他にも
    ・年齢によっては養子本人の同意
    ・政府機関の同意や承諾(フィリピン等々)
    と厳しいです。
    その厳しさと時間がかかることを覚悟の上で、どのように進めていくか、です。

    こちらの相談とは別に、相談を受けるケースで、
    養親となる夫婦の片方が外国人配偶者で、その親戚の子どもが養子候補、があります。
    養子となる子どもが生まれた段階で、
    ・実親と養親となる夫婦の間で合意を交わす
    ・養子となる子どもは、養親となる外国人配偶者の実家へ預ける
    ・養親となる夫婦は、2-3年ぐらい時間をかけて、頻繁に渡航して、親子関係を築いておく
    ・この間、その国で定められている養子の保護条件を、できる限り満たしておく
    その後
    ・日本大使館へ「短期滞在ビザ」の申請をする
    ・入国できたら日本の家庭裁判所に養子縁組の申し立てをする
    ・成立したら、短期滞在から長期の滞在へ在留資格変更申請をする
    日本大使館へ短期滞在ビザの申請ですが、
    子どもの年齢によっては、子どもだけで出入国ができないことや、
    家庭裁判所で実親の同意が必要なこともあるので、実親も一緒に招へいすることになります。
    経済的な事情で養育できないから養子に出す、と考えられることから、
    「実親を入国させてしまったら不法就労や不法残留するかもしれない」、と日本大使館が考えることは否めず、
    結果として、短期滞在ビザの発給しない、となる可能性が高いです。
    その場合、どうしたら良いか?ですが、決定打になる主張はありません。
    「実親が不法残留したら、養子縁組をしても、その後、養子の在留資格は得られないのは承知しているので、
    必ず、帰国させる」と誓約書を提出するのも一つの方法です。
    又、「招へい人は、本当に養子縁組手続きを考えているのだろうか?」との疑問を持たれることもあります。
    数回渡航して、短期間、子どもと触れ合った程度では駄目でしょう。
    その場合は、家庭裁判所に養子縁組手続きの申請をしておくのも一つの方法ですが、
    実際に、血縁関係の無い子どもを養育したことがある、という実績を示したほうが良いかもしれないです。
    一般に養親の基準は公開されていませんが、里親認定基準と共通していることもあるでしょうから、
    里親に登録して、実際に養育家庭里親をして経験しておくことは、心証の良い主張になる、と考えます。
    東京都の養子縁組里親の認定基準(平成24.1.1現在)を下記に挙げておきます。
    ・里親申込者の基本要件
    1 心身ともに健全であること
    2 児童の養育についての理解及び熱意並びに児童に対する豊かな愛情を有していること
    3 児童の養育に関し、虐待等の問題がないと認められること
    4 児童福祉法その他関係法令等が適用になること
    5 申込者又は同居家族が、次の各号のいずれかに該当していないこと
     ア 成年被後見人又は被保佐人(同居人にあっては除く)
     イ 禁固以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者
     ウ 児童福祉法及び児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護に関する法律、
       その他国民の福祉に関する法律で、政令で定めるものの規定により罰金刑に処せられ、
       その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者
     エ 児童虐待に防止等に関する法律第2条に規定する児童虐待又は被措置児童虐待を行った者
       その他児童の福祉に関し著しく不適当な行為をした者
    6 世帯の収入額が生活保護基準を原則として上回っていること

    注意 適法に滞在している外国人の実母や15未満の実子を除いて、日本大使館への短期滞在ビザ申請では、
        通常、招へい人の世帯収入で年間360万円以上、世帯合計の金融資産では300万円以上は、
        最低限かと考えます。

    7 委託児童との養子縁組を目的とするものであること

    ・家庭及び構成員の状況
    1 家庭生活が円満に営まれていること
    2 里親申込者と起居を共にする者は、児童の受託について十分な理解を有するものであること
    3里親申込者と起居を共にする者のうち、日常生活をする上で主たる養育者となる者が
     特別に対応しなければならない者がいないこと
    4 里親申込者は、原則として25歳以上50歳未満であり、婚姻していること

    ・家庭家屋及び居住地の状況
    1里親申込者の家庭及び住居の環境が、児童の保健、教育、その他の福祉上適当なものであること
    2住居の広さは、原則として居室が2部屋10畳以上であり、家族構成に応じた適切な
    広さが確保されていること

    ・受託動機
    里親申込みの動機が、児童の最善の福祉を目的とするものであること

    里親制度を引用しましたが、養子縁組は前述のようにハードルが高いので、
    この里親制度を利用することも一つの方法かな、と考えます。


      仕事の依頼&自己紹介へ

    日本人男性が、在留資格を持つ成年のフィリピン人男性との養子縁組

    Q 建設業経営者です。
    弊社は、フィリピン人男性(日本人と結婚)を雇用しています。
    その彼と弊社従業員(60歳男性)が、養子縁組をしたいようです。
    養親となる男性ですが、最近、奥さんと死別し、子供もおらず、年金もわずかしかもらえないようで
    将来を考えると心配なようです。
    フィリピン人男性は弊社で働いて3年以上経ちます。
    日本人男性が、フィリピン人男性を指導していまして、フィリピン人男性は、日本人男性を父親のように
    慕っています。養子縁組が可能でしょうか?

    A まず、養子縁組を進めるうえでの法律ですが、養親の属する国の法律、
    又は、行為地である日本の法律のどちらでも、有効、とされています。
    養父である国の法律は、日本人でしょうし、行為地も日本でしょうから、日本の法律とします。
    それで、養子については、保護条件がありますので、養子は、フィリピン人を予定している、
    とのことなので、フィリピンの法律とします。
    日本の法律に沿って、手続きを進めることになります。
    ちなみに、フィリピンの養子縁組の型は、決定型・断絶型のようです。
    決定型と言うのは、
    当事者の合意だけでは足りずに、裁判所又は行政官庁等の機関による養子決定の宣告があって始めて養子縁組が成立するもの。
    断絶型と言うのは、
    縁組によって養子とその実親及び実方の血族との親族関係を消滅するもの。
    で、日本の特別養子縁組に近い制度のようです。
    そして、フィリピンの場合、養子となるフィリピン人は、未成年である、とのことです。
    フィリピン人の成年に達する年齢は、18歳となります。
    そうしますと、
    フィリピンの本国法は、未成年しか養子としない法制度になりますが、
    成年養子を認めている日本の法律で進めることから、未成年養子のための保護条件を、
    成年養子に適用すべきか、が問題になります。
    養子縁組するに当たって、
    本人、配偶者、実父母などの同意は、保護要件として扱うことになる、と考えます。
    それで、家庭裁判所の許可は、本質的な未成年者の保護なので、
    成年養子の場合、保護要件にならないのではないか、と考えます。
    更に、養子の決定については、
    養子縁組の保護の観点からの実質的成立要件の部分

    方式の部分
    に分けて考えることができます。
    成年養子については、養子縁組の保護の観点からの実質的成立要件の部分は、考慮する必要が無く
    方式の部分は、フィリピンの養子縁組は決定型であり、裁判所の関与は、方式についての部分のみであるから、
    保護要件に当たらない、という考え方もあり、渉外的な成年養子縁組につき、当事者の一方が、
    本国法が決定型の養子縁組制度であっても、家庭裁判所の許可を得なくても受理されたこともあるようです。
    H1.10.27 第166回東京戸籍事務連絡協議会の協議結果でも、
    「我が国の未成年者の家庭裁判所の許可などは、成年養子の場合は、不要であり、
    これを理由に不受理とすべきではない」とされているようです。
    又、フィリピンの場合、夫婦共同養子縁組ですが、これは適用せず、
    配偶者の同意だけで良いのではないか、と考えます。
    ですので、
    養親である日本人
    養子であるフィリピン人
    養子であるフィリピン人の日本人の配偶者
    養子であるフィリピン人の実父母
    の同意で、裁判所の許可なく、養子縁組の届出は可能だとは、思いますが、これらについては、
    市区町村役場戸籍課、管轄する法務局戸籍課に照会されてください。
    (養子の実父母の同意、養親の10歳以上の嫡出子の同意も必要、となっているようです。
    同意の方法や同意がとれない場合ですが、市区町村役場戸籍課に事前に確認してください。
    繰り返しますが、養子が未成年の場合は、家庭裁判所の許可が必要です)
    尚、フィリピンサイドでは、この養子縁組は受け入れない、と思います。
    もともと、フィリピンの法律では、
    「家族の権利及び義務又は人の身分、地位、及び法的能力に関する法律は、
    フィリピン市民が外国に居住している場合においても、その者を拘束している」
    としています。
    居住地国の法律は適用しない(反致をしない)、という趣旨の規定と考えられています。


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    ・海外在住の日本人の夫婦が、日本人の子供を養子に迎えたい場合です

    Q 夫婦共々日本国籍を持っており、イタリアにて永久滞在許可書を持っております。
    日本人の特別養子縁組を希望していますが、日本の法的に、海外在住の日本人夫婦も特別養子縁組は
    可能なのでしょうか。

    A 外国に居住する日本人夫婦が、未成年と養子縁組する場合ですが、
    実質的な成立要件は、養親の本国法である、日本の民法に定める要件を満たすことが必要となります。
    又、実質的な成立要件を満たしている場合、形式的な成立要件(養子縁組を成立させる方法のことです)は、
    養親の本国法による方式(日本の方式)
    縁組を行おうとする国の方式(イタリアの方式)
    の両方があります。
    イタリアの方式により、縁組を成立した場合は、戸籍に記載するために、
    縁組をした日本人は、三ヶ月以内に縁組証書を
    (養子縁組の判決、決定、命令、公的機関の決定、公的機関の登録証明書等)
    在イタリアの日本領事館に対して提出する必要が有ります。
    養子縁組については成立しますが、特別養子縁組はどうなのか?です。
    原則として、特別養子縁組として取り扱われるのは、
    日本民法が準拠となる場合に限られていますから、
    外国法を準拠法とする養子縁組の場合は(イタリアの法律が準拠法になる可能性があるので)、
    仮に、養子縁組を成立させる裁判所の決定のなかに、「特別養子縁組」の文言が使用されていても、
    特別養子縁組として取り扱われないことになっています。
    しかし、
    ①外国の裁判所において養子縁組が決定された場合でも
    ・養親が日本人であること
    ・日本の民法817条の2(特別養子縁組の成立)以下の規定を適用し、特別養子縁組を成立させたことが裁判書
    から明らかであれば、特別養子縁組として日本側で受理される余地はあるとのことです。

    ②外国の裁判所において養子縁組が決定された場合でも
    ・養親が日本人であること
    ・イタリアの法律で、養子と実親等との血縁関係が断絶するいわゆる完全養子制度で成立
    ・それについて、日本側で、日本の民法817条の2以下の要件を満たすか、どうかの審査
    その要件が満たしていれば、特別養子縁組として日本側で受理される余地はあるとのことです。
    以下、特別養子縁組の概要です。
    ・年齢では、原則15歳未満
    ・二段階手続きの導入
     ア 実親による養育状況及び実親の同意の有無等を判断する審判
     イ 養親子のマッチングを判断する審判
    ・同意の撤回制限
    ・児童相談所長の関与
    ・夫婦共同養子縁組
    尚、イタリアの場合は、裁判所の決定、試験養育期間有り、実親との関係も婚姻障害を除いて消滅、
    となるようです。

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    ・日本人男性とベトナム人女性夫婦で、日本人男性とベトナム人女性の10歳の実子(連れ子)との養子縁組です。

    Q 私は、ベトナム人女性と結婚した、日本人男性です。妻と妻の実娘(10歳)と一緒に日本で生活しています。
    妻の娘と養子縁組をしたいのですが、可能でしょうか。

    A ベトナムの国際養子縁組の場合、ベトナムはハーグ国際養子縁組条約に批准しているので、
    批准国に常居している外国人(ベトナムから見て)は、ベトナム人と子を養子といることができる、としています。
    又、ベトナムから見て、外国に常居する外国人が養子縁組を行う際に、
    1 その者(養親となる者)が養子となる子の継父や継母である場合
    2 その者が養子となる子の実の叔父や叔母である場合
    3 その者に養子となる子の兄弟姉妹である養子がある場合
    4 その者が障害のある子、HIV 、AIDS又はその他の危険な病気に感染している子を養子としている場合
    5 その者が、現在ベトナムで少なくとも1年間労働しているか、勉強している外国人である場合
    には、特定の子どもを養子とすることができる、とされています。
    上記の場合は、ベトナム国内で養子縁組をする場合に適用されると推測しますので、
    日本国内で、養親が日本人で、養子がベトナム人の養子縁組手続きなので、民法が準拠法になります。
    10歳のベトナムの女の子なので、保護条件があり、それはベトナムの法律が適用されます。
    まず、ベトナムの養子縁組の法律では(ベトナム人同士の養子縁組)、
    養子の年齢は、原則は16歳未満。
    ただし、継父又は継母の養子となる場合又は叔父若しくは叔母の養子となる場合には、
    18歳未満であれば養子となることができる)。
    養親は養子より20歳以上年長。
    養子の保護条件ですが
    ・養子となる者が9歳以上であるときは、その子の同意が必要
    ・養子となる者の実父母又は保護者の同意が必要
    国際養子縁組では、
    養子に親または保護者がいない場合は、本人を直接育てている人の同意。
    養子が孤児施設などで生活をしているときは、その施設の責任者の同意。
    養子が医療機関におき去られた新生児のときは、その医療機関の同意。
    更に、
    1 外国人がベトナムに在住しているベトナム人を養子とするときは、ベトナム人民委員会の公認
    2 外国人が外国に在住しているベトナム人を養子とするときは、外交代表機関又は領事機関の公認
    が必要となるようです。
    ご質問については、
    ・養子本人は10歳なので、本人の同意
    ・養子の実父母の同意
    ・ベトナム人民委員会の公認ついては、日本の家庭裁判所でも代行が可能なようです。
    ですので、まず、家庭裁判所へ養子縁組の申し立てをすることになります。
    この養子縁組が、ベトナム側で反映されるのか、どうかは、不明です(日本でのみ、成立、の可能性が有る)。
    尚、日本の民法で進めるので、養子の年齢が15歳以上でも可能です。

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    ・中国人男性と日本人人女性夫婦で、中国人男性と日本人女性の実子(連れ子)との養子縁組

    Q 私は中華人民共和国の国籍の男性です。日本人女性と結婚し、永住者の在留資格を得ています。
    妻には、日本人の前夫との間に未成年の男の子がいます(日本国籍・嫡出子)。
    私は、その男の子と養子縁組をしたい、と考えています。
    (中華人民共和国は、2011年1月1日から、統一的な民法が施行され、従前と比べ、変わったところ、 新しいところがあります)

    A 養子縁組の手続きについては、中国の法律が準拠法となり、養子の保護要件は、日本の民法になります。
    まず、中国の養子縁組の概要を見てみましょう。
    ・養子縁組は、県以上の人民政府の民生部門の登記しなければならない(事実上の審査がある)。
    ・契約型の養子縁組の法制度である。
    ・養子縁組の当事者が書面による合意を望む場合は、書面による合意が可能。
    ・配偶者のある者が養子をとる場合、必ず夫婦が共同で行わなければならない。
    ・配偶者のいない者が異性の子を養子にする場合、養親となる者と養子となる者の年齢差は40歳以上離れていること
    ・養子縁組後、養子は実父母及びその他の親族との権利関係は消滅する。

    (1)養子になれる子ども
    未成年の
    ・父母を失った孤児
    ・実父母を探し出せない棄児
    ・実父母に特別な困難があって撫養する能力のない子

    (2)養子の保護要件
    ・実父母の同意が必要と考えられている
    ・8歳以上の未成年者は本人の同意が必要
    ・監護人が未成年の孤児を養子に出すときは、撫養義務を負う者の同意

    (3)養親になれる人
    ・子がないこと 又は 子が一人しかいないこと
    ・養子となる者を撫養教育する能力を有すること
    ・医学上、子を養子とすべきでないと認められる疾病を患っていないこと
    ・満30歳以上であること

    (4)養親となる者は、
     子がいない場合---2名を養子とすることかできる
     子がいる場合---- 1名のみを養子とすることができる
     孤児、障害のある未成年、または児童福祉機関が扶養している実母を捜すことができない
     未成年者を養子にする場合は、例外規定があり制限を受けない

    (5)養子を送り出すことができる者は、下記のいずれか
    ・孤児の後見人
    ・社会福祉機関
    ・特別な困難があり子を扶養する能力が無い生父母

    (6)傍系血族の子の場合
    ・三代以内の輩行を同じくする傍系血族の子女
     1 実父母に特別な困難があって撫養する能力のない子
     2 配偶者のない男性が女性を養子とするときは、養親と養子の年齢差は、40歳以上の差が無ければならない
     3 特別な困難があり子を扶養する能力が無い生父母
     養子縁組について、1-3の制限はない
     三代以内の輩行を同じくする傍系血族の子女とは、どういう子ども? 兄弟姉妹の子及びいとこの子

    (6)-2 華僑(海外に定住している中国公民)
    ・三代以内の輩行を同じくする傍系の子女を養子とするときは、
     前述の1-3に加えて、養親に子のないことの制限を受けない

    以上のことを踏まえて、養親である中国の法律が準拠になって進めます。
    子どもは日本国籍なので、保護要件は日本の民法になり、実父母の同意です。
    そして、養親である中国の法律によると、夫婦共同養子縁組になります。
    しかし、配偶者である妻の法律である日本の民法では、
    嫡出子との養子縁組は認めておらず、単独養子縁組を可能であることを定めています。
    又、前述のように、中国の法律で、継父又は継母は、継子の実父母の同意を得たときは
    継子を養子とすることができる、とされているので、
    子どもの実父母の同意を得れば、養父の単独で養子縁組ができると考えられます。
    尚、中国の養子縁組は実親との断絶型、民生部門の登記が必要なことから、
    保護要件の準拠法である日本の民法では、
    実親と断絶しない(普通養子縁組)と実親と断絶する(特別養子縁組)の二種類があるのですが、
    実親と断絶する養子としての保護要件を満たす必要があり、
    又、民生部門のような公的機関の関与もあるので、家庭裁判所の審判も求められるかもしれません。
    養子縁組届を提出予定の市区町村役場戸籍課で確認してください。

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    ・韓国人男性と日本人人女性の夫婦で、韓国人男性と日本人女性の嫡出子(連れ子)との養子縁組です。

    Q 私は日本に住む韓国人です。この度、日本人女性と結婚しました。妻は再婚で、前夫との間に12 歳の娘がいます。
    私は、その娘(嫡出子)と養子縁組をしたいです。どうしたらよいですか?

    A 家庭裁判所の許可を得て、親権者である日本人女性の代諾があれば、
    区市町村役場戸籍課で、養親は韓国人・養子は日本人の単独での養子縁組ができる可能性はあります。
    まず、韓国の民法が定める韓国民法と日本民法の定める保護要件を備えることが必要です。
    韓国民法の養子縁組は
    「未成年者を養子縁組しようとする者は、家庭法院の許可を得なければならない」
    「(未成年も成年も)養子となる者は父母の同意を得なければならない」
    「養子となる者が15歳未満であるときは、法定代理人がこれに代わり養子縁組を承諾する」
    としています。
    一方、日本の民法では、
    「養子となる者が15歳未満であるときは、その法定代理人が縁組の承諾が必要。
    この父母が離婚し、母を子の親権者と定めた場合は、母が法定代理人として単独で縁組を承諾する権限を有する」
    とされています。
    「ただし、母を親権者と定め、父を監護者として定めた場合は、父の同意も必要」とされていますので、
    質問のケースで、父を監護者に定めがなければ、母だけで良いことになります。
    また、韓国民法では、
    「配偶者のある者が養子をするときは、配偶者と共同でしなければならない」とされていますが、
    日本民法のように、夫婦共同の養子縁組の例外の解釈があるの?があります。
    (ちなみに、日本民法795条ただし書き。結婚相手の嫡出子と養子縁組をする場合、単独で養親になれる)
    韓国では、夫婦の一方が他方の一方の嫡出子を養子とする場合、他の一方は、実父母として養子縁組について
    同意があれば、単独で養子縁組ができる(既に実親・実子関係があるので養親子関係を発生する必要はない)、
    との解釈があるようです。
    実務では、日本の家庭裁判所は許可の代行が可能なので、家庭裁判所の許可を得て、
    親権者である日本人女性の代諾があれば、区市町村役場戸籍課で、養親は韓国人・養子は日本人の単独での養子縁組は
    できる可能性は有るようです。
    尚、娘が非嫡出子の場合(母親が未婚で出産している)、非嫡出子から嫡出子とする意義があるので、
    夫婦共同養子縁組として行うものとされています。日本民法では、実親と非嫡出子との養子縁組は可能です。
    詳細は、養子縁組届の提出予定の区市町村役場へ相談してください。

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    ・養子縁組手続きのハードルが高い、養子の身分での在留資格が得られそうもない、ケースでも養子にしたい子供を、
     小学校や中学校に留学させることはできるのか?

    Q 私は日本人で、妻は外国人ですが、子宝に恵まれません。
    妻の妹夫婦には子供が3人おり、そのうちの1人が、優秀で日本に興味をもっているので、養子にしたいと考えていますが、
    妻の母国に行って、養子縁組手続きができそうもないのですが、
    小学校や中学校でも留学が認められるようになったと聞きました。

    A 想定されているのは、外国の中学生のスポーツ留学のようです。
    また、養子ではなく、あくまでも留学が目的なので、本人が「日本に留学したい」との意思が大事です。
    法律の内容では、
    「申請人が中学校若しくは特別支援学校の中学部又は小学校
    若しくは特別支援学校の小学部において教育を受けようとする場合は、
    次のいずれにも該当していること。
    ただし、我が国の国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人、国立大学法人、
    学校法人、公益社団法人又は公益財団法人の策定した学生交換計画、
    その他これに準ずる国際交流計画に基づき、
    生徒又は児童として受け入れて教育を受けようとする場合、
    イ及びロに該当することを要しない
    イ 申請人が中学校において教育を受けようとする場合は、年齢が17歳以下であること
    ロ 申請人が小学校において教育を受けようとする場合は、年齢が14歳以下であること
    ハ 本邦において申請人が監護する者がいること
    ニ 申請人が教育を受けようとする教育機関に外国人生徒又は児童の生活
      の指導を担当する常勤の職員が置かれていること
    ホ 常勤の職員が置かれている寄宿舎その他の申請人が日常生活を支障なく
      営むことができる宿泊施設が確保されていること」

    要するに、
    ・中学校に通学させる場合は、年齢が17歳以下(交換留学生を除く)
     小学校に通学させる場合は、年齢が14歳以下(交換留学生を除く)
    ・申請人(この場合は外国人児童)を看護する者がいること
    看護する者とは、日本における申請人の親代わりとなる者であり、
    寄宿舎の寮母、日本に在留している親族、ホームステイ先の世帯主等を想定。
    ・教育機関に生活指導を担当する常勤の職員がおかれていること
    ・常勤の職員が置かれている寄宿舎等の宿泊施設が確保されていることとは?
    申請人の身の回り世話が行われていることを確保されているのが前提。
    申請人の通学先の寄宿舎、近隣の親族宅、ホームステイ先を想定しています。
    ですので、ホテルや旅館などの一般宿泊施設は認めていないです。

    申請人が
    中学校(中等教育学校前期課程を含む)若しくは特別支援学校の中学部又は小学校
    若しくは特別支援学校の小学部において教育を受けようとする場合は、
    当該申請人が日常生活を営むこととなる宿泊施設の概要を明らかにする資料
    が必要ですし、
    公立の小中学校を希望する者については、住民基本台帳法に登載されるまでは、
    通学先は決定できないので、居住する予定の市区町村の教育委員会が作成した
    通学予定先について説明する文書も必要です(入学許可書に代わるものとして扱う)。
    在留資格が「留学」なので、経費支弁者が必要ですが、
    外国人児童は経費支弁ができませんので、看護者が経費支弁者になるのだと思います。
    外国人児童の自らの意思で「日本に留学し、勉強したい」が目的なのですから、
    勉学に励める環境を保証する必要がある、と推測されるので、
    看護者がしっかりしていること(社会的な地位があること、現在・将来にわたって安定した職業・収入が見込まれること、
    そして、ご自身の家庭をかえりみない人はダメ、と推測します)
    住むところがあること(外国人児童が勉強に励み、生活環境を提供できるキチンとした住まいであること)
    が必要、と推測しています。
    看護者が法律遵守していない、生活が荒れていそう、児童虐待を起こしそう、途中で看護を放棄しそう、
    とりあえず預かってみるだけなのでは?と思われるような人はダメでしょう。
    又、私学であればカリキュラムを含んだ受け入れ態勢、公立であれば教育委員会の意向や学校の受け入れ態勢、v 子供の日本語の習熟度も重要かもしれません。
    なかなかハードルが高そうな申請ですが、
    仮に、小学校や中学校に留学したら、じっくりと養子縁組をしたらどうでしょう。
    しかしながら、養子縁組を日本から先行すると、養子の国での養子縁組は成立できるのか?は不明です。
    ですので、日本のみの養子縁組になる、可能性があります。

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    ・国際結婚夫婦と外国人代理母から出産した子どもでは、特別養子縁組はできるのか

    Q 私は日本人女性です。夫は、X国の男性。代理母は、Y国の女性です。代理出産の契約をY国でしました。
    ちなみに、夫の国籍国のX国と代理母の国籍国のY国では、代理出産が認められています。
    この度、代理母であるY国の女性が、Y国で女の子を出産しました。私達夫婦は、女の子と日本で特別養子縁組ができますか。
    ちなみに、女の子の国籍は、X国です。尚、X国の父子関係については、認知制度になりますが、この件は認知はしてないです。

    A 代理母制度は生殖補助医療ですが、生殖補助医療に関しては日本ではどこまで認められているのか?
    令和2年12月14日に
    「生殖補助医療の提供等及びこれより出生した子の親子関係に関する民法特例に関する法律」
    が成立し、令和3年の12月11日から施行される予定です。
    この日以降、生殖補助医療で出生した子に適用されます。
    同法は、基本理念や国の責務、医療関係者の責務、知識の普及等、相談体制の整備、法制上の措置等が規定されています。
    今まで、生殖補助医療については、許容されているケースと許容されていないケースがありました。
    生殖補助医療により出生した子は存在しますが、それに関する法律は無いようでした。
    実際の医療については、日本産婦人科学会のガイドライン、
    法律については、現行の法律を前提としての解釈にゆだねられているようです。
    例えば、人工授精では(精子を妻の胎内に注入し、受精を可能とする技術)
    夫の精子による配偶者間人工授精については、
    人工授精により生まれた子は、分娩者が母親なので、夫の嫡出子として解しているようです。
    過去に、それを認めた裁判例もあるようです。

    ちなみに、体外受精(人為的に妻の卵巣から採取した卵子を母体外で夫の精子と受精させ、
    その受精卵や胚を妻の子宮内に移植し、着床・妊娠する技術とのこと)
    は、妻以外の女性による卵子を利用することは禁止されている、とのことです。
    それで、夫婦間であれば認められ、生まれた子どもは、夫の嫡出子になるらしいです。

    また、代理懐胎ですが、いわゆる、代理母と呼ばれていますが、この実施は禁止されています。
    しかし、現実として、代理母を認めている国はありますので、そこでは実施されているのが現状のようです。

    では、どのような生殖補助医療が認められたのか?ですが、
    1 女性が自己以外の卵子を用いた生殖補助医療により子を懐胎し、出産したときは、その出産した女性をその子の母とする。
    2 妻が、夫の同意を得て、夫以外の男性の精子を用いた生殖補助医療により懐胎した子については、
     夫は、民法第774条の規定にかかわらず、その子が嫡出であること否認することができない
    となっています。
    簡単に書きますと、
    1 は、第三者から卵子の提供を受けた場合、提供者ではなく出産した女性が母
    2 は、夫の同意を得たうえで、第三者の精子を用いて妊娠した子は、夫が父となる
    です。
    民法第774条とは?ですが、嫡出子であると推定される子の否認、の条文なので、
    否認することを認めない、との意味のようです。
    離婚し、夫婦の間がこじれた場合でも、「父子関係を拒否したい」はできないのだろうか?がありますが、
    父子関係はずっと続くことになりそうです。
    尚、2年後を目途に、生殖補助医療に用いられる精子、卵子又は胚の提供又はあっせんに関する規制の在り方などなど検討し、
    その結果に基づいて法制上の装置等が講ぜられる、としています。

    さて、これは、日本の法律なので、日本人夫婦を想定していると推測されますが、
    海外では、代理母を認めている国もあり、他国の人も利用しています。
    日本で認められていませんが、過去に相談を受けたケースもあり、その時に得た知識から、
    どうしても進めたいご夫婦においては、事前に確認しておいた方が良いのではないかな、があります。
    例えば、代理母制度を認めている国で、その国の女性が代理母になると仮定して
    「日本人夫と外国人妻」、「日本人妻と外国人夫」の場合、
    ・外国人妻の国で代理母制度を認めているのか
    ・外国人夫の国で代理母制度を認めているのか
    ・外国人妻の国で、自身の実子(又は非嫡出子)と配偶者の養子縁組を認めているか、
     認めている場合、どのような手続きになるのか、
    ・外国人夫の国で、自分の実子(又は非嫡出子)と配偶者の養子縁組を認めているか、
     認めている場合、どのような手続きなるのか、
    ・外国人配偶者の国では、外国人配偶者自身と自分の子とは養子縁組を認めていない可能性もあります
    ・卵子提供者の女性が、必ずしも出産するわけではありません、
    上記を調べた結果、日本の家庭裁判所で、特別養子縁組なのか、普通養子縁組なのか、どちらも認められないのか、
    の判断ありますので、調べたほうが良いでしょう。

    ・外国人妻の国で代理母を認めていれば、実母と実子の関係になりそうです。
     その場合、夫婦間の嫡出子なのか、外国人妻の非嫡出子なのか、の確認も必要です。
     日本人夫とは、外国人妻の実子との養子縁組になる可能性があります。
     代理母制度を認めていなければ、実母と実子の関係ではない可能性もでてきます。
     その場合、夫妻と子どもの養子縁組になる可能性があります。
     
    ・外国人夫の国で代理母を認めていれば、実父と実子の関係になりそうです。
     夫婦間の嫡出子なのか、外国人夫の非嫡出子なのか、の確認も必要です。
     日本人妻とは、外国人夫の実子との養子縁組になる可能性があります。
     代理母制度を認めていなければ、実父と実子の関係では無い可能性もでてきます。
     その場合、夫妻と子どもの養子縁組になる可能性があります。

    ケースによっては、代理母が出産した子どもに対し、
    国によって認知(胎児認知)は可能なのか?事実主義の場合はどう考えるのか?
    認知することによって、認知者の国の国籍を得られるのか?その手続きの難易度は?
    もあるので、事前に、関係する役所(日本だけではありません)に相談したほうがいいです。
    ただし、代理母制度に否定手的な対応をする役所もあるかもしれません。

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